キルギス共和国と日本の今。

キルギス共和国と日本の今。

片山 
民主化は、国民の教育にも影響を与えましたか?

チンギス大使 
国民の中に国への誇りが生まれたと思います。そして、キルギス人であることの自信も。その結果、一生懸命勉強して、国に貢献したいという気運が芽生えました。ある者は海外に学習の場を求め、そこで得た知識をキルギスのために活用するようになりました。キルギスは、いくつかの革命を経験しましたが、最も重要な革命はこの教育革命だったと私は思います。

片山 
私は、教育と政治・経済は密接な関係にあると考えています。いかに高い教育を受けたとしても、それを生かす社会がなければ単に知識のための教育で終わってしまいます。社会を発展させるための教育、また、人に貢献できる教育でなければ、教育の充実から国の活力は生まれません。教育を生かせるための社会づくり・・・これは政治が担うものです。そして、教育で得たものを社会に還元していく・・・これは経済活動が担っているものだと思います。

チンギス大使 
私もまったく同感です。キルギスは、ソビエト連邦からの独立後、およそ20年をかけて適切な政治・経済・教育のかたちを実現させたと自負しています。そして、そうして生まれ変わった国は、若い世代が中心の国家となりました。たとえば、政府の要人はほとんどが40代前半です。キルギスはいま、知識欲の旺盛な若い世代が新しい時代を築き上げようとしています。

片山 
なるほど。お話を聞けば聞くほどキルギス共和国の魅力が伝わってきますね。実は、現在日本には約420万の企業があるといわれています。いわゆる大企業はそのうちの2パーセントです。圧倒的多数が中小規模なのですが、この中小企業の中にすばらしい技術があります。たとえば、山の中でエビを養殖するとか、淡水魚と海水魚を一緒に養殖するとか。これはほんの一例ですが、世界が目を見張る技術がたくさんあります。

ジャスビコという企業は、グローバルな領域においては、そんな卓抜した技術を丹念にリサーチし、検証し、それを必要とする海外諸国に提案し、マッチングを実現させる会社です。私たちが抱える小さな企業の大きな技術で、キルギスと何か新しいビジネスチャンスが生まれそうですね。

チンギス大使 
そうですね。山の中でのエビの養殖は大変興味があります。また、特産の蜂蜜を、高品質を損なわず冷凍保存する技術や、オーガニックフルーツのドライ化などで日本の技術には期待しています。

片山 
はい。是非お力になりたいと思います。貴重なお時間をちょうだいし、遠い国だったキルギス共和国が、少し身近に感じられるようになりました。本日はどうもありがとうございました。