キルギス共和国と日本の今。

キルギス共和国と日本の今。

片山 
なるほど。日本は地震をはじめ様々な災害を経験していますから、災害防止や起こってしまった災害に対しての対策は、間違いなく世界の最先端です。ジャスビコでも、災害だけではなく、あらゆる危機管理に対して対応できるスキームを構築して、様々な企業にコンサルティングを行っています。キルギス共和国に対しても、我々のノウハウを提供できると思います。

チンギス大使 
それは心強い申し入れですね。多くの国から災害対策に関しては多くの提案があるのですが、日本の技術力には、間違いなく一日の長がありますからね。

片山 
ありがとうございます。ところで、キルギスの産業の中心は何ですか?

チンギス大使 
現在の産業の中心は農業です。私たちはオーガニック農作物栽培に力を入れています。農作物の主な輸出先は、隣国のロシアやカザフスタンですが、最近はサウジアラビアなどの中東諸国も、私たちのオーガニック農作物を気に入ってもらっています。特に、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などは、私たちの牛肉や羊肉の重要な輸出先にもなっています。

片山 
日本でもオーガニックがブームですが、キルギスではほとんどの農作物がオーガニックなのですね。これはすごいことです。農作物に関して、日本との関係はいかがですか?

チンギス大使 
はい、まずJICAから多大な支援をいただいています。たとえば、『一村一品』などはJICAとの共同プロジェクトです。ひとつの村で絶対に自信のあるものを何かひとつくろうという取り組みです。このプロジェクトから、オーガニックで高品質の蜂蜜や、ウール製品などが生まれています。これらはすでに日本に輸出されています。また、オーガニック石鹸の生産も始めています。

片山 
確か、特別な蜂蜜を生産されているのですね?

チンギス大使 
はい。花を限定した特別な蜂蜜です。エスパルセットいう種類の蜂蜜で、品質の高さには絶対の自信があります。

片山 都市の近代化ということに関しては、どんな取り組みをされているのですか?

チンギス大使 
都市機能の円滑な推進にITは不可欠です。キルギスはいま、世界の最新デジタル技術を導入するため、国を挙げて取り組んでいます。私たちは『タザコム』という国家計画を掲げています。これはキルギスの言葉で、英語では 『クリーンソサエティ』、つまり、『きれいな社会づくり』を実現しようというものです。具体的には、交通管理システムの拡充、インターネット環境の充実、市民の安全を確保するための監視カメラの活用などです。

片山 
これは日本の企業が最も得意とする分野ですね。

チンギス大使 
現在、『きれいな社会づくり』実現のために、いくつかの日本企業とプロジェクトを進めています。プロジェクトの数は18におよびます。